PL(偏光)フィルターを使って鮮やかな写真を撮ろう!【基本編】

風景本来の色を鮮やかに引き出してくれるPLフィルター

日差しの強い日中の撮影は、被写体に反射する光で思うような写真が撮れないことがあります。
特に風景写真などを撮るときに、木々の葉っぱが白っぽくなったり、透き通った水面を撮ったつもりが、反射でミラーの様になっていたりと、カメラマンを悩ませます。

こんな時に便利なのがPL(偏光)フィルターです。

樹葉や建物、水面やガラス面などの表面反射を抑えたり、青空をより鮮やかにして被写体本来の色彩を引き出します。
これだけで、ワンランク上の写真が撮れるようになりますよ。

PLフィルターの種類

PLフィルターには普通の「PL」C-PL(サーキュラーPL)の2種類があります。

C-PL(サーキュラーPL)は普通のPLに1/4入位相差板を組み込むことで、一眼レフカメラのミラー部分に組み込まれているハーフミラー及びローパスフィルターの機能に干渉しないようにしたものです。

レンズを通る光は、ハーフミラーによってファインダーに導かれる光とピント合わせや測光に使われる光とに分岐されます。

この機構を持つカメラに普通の「PL」を使用すると、ハーフミラーの光を分岐させる機能に干渉してしまい、結果AFセンサーや測光部分に光が入らなくなり、作動不良になります。

なお、反射を除去するという効果に関しては「C-PL」と普通の「PL」も同じです。

一眼レフもミラーレス一眼もおすすめはC-PL

C-PLは一眼レフのハーフミラーの特性に対応した製品という事で、ハーフミラーのないミラーレスなら通常のPLでOKとなりそうですが、ローパスフィルター等のカメラ機構との干渉回避の為にも、C-PLを使う事をおすすめします。

PLフィルターの効果を見てみましょう!

PLフィルターは、2枚のガラスの間に「偏光膜」をはさんだ偏光フィルター(Polarizing filter)です。

「偏光膜」は目に見えない細かなスリット状になっており、特定方向の光をカット(吸収)します。

フィルターは回転するようになっていて、前枠のフィルターを回しながら偏光の調整をしていきます。

空や桜、川の反射などが抑えられているのが分かりますよね。
PLフィルターは反射を抑えるフィルターですので、反射していない部分の色彩は変わりません。

PLフィルターの効果は角度が最重要!

空を含んだ写真や風景を撮影する場合、太陽を背にして撮影者との位置を結んだ直角方向、及びその左右方向の光に最も効果があります。

逆光時や曇天時の撮影では、わずかな効果となります。

太陽の位置や光の強さによって効果の出る場所や程度が変化することを覚えておきましょう。

水面や葉の表面の反射を取り除く場合は、平面に対して30~40°の角度から撮影するのが、最も効果的です。

非常に強い光の反射または真正面からの撮影では、ほぼ効果が得られません。

PLフィルターは全ての反射をコントロール出来る訳はありません。
太陽の位置によって、効果の程度も違ってきますので、前枠を調整しながらベストな位置に調整しましょう。

あえて反射を残して、みずみずしく撮影する!

PLフィルターは反射を抑制するためのフィルターですが、被写体によっては反射していることで、臨場感が出る場合もあります。

上の写真はフィルター効果を弱めて、わざと岩の反射を残した写真です。

このように、反射を残すことで、みずみずしさを表現することもできますよ!

フィルター効果は表現したいテーマで調整する。
自分自身の感性で反射をうまくコントロールしていきましょう。

PLフィルターの調整方法

効果最大の位置から90度回すと効果最小。
更に90度回すと効果最大となります。
効果最小の位置は、フィルター未使用時よりも反射が増幅されます。

PLフィルターのレンズ固定枠部分でレンズに固定します。
その状態で前枠は左右どちらにも360度、回転します。

前枠を回転させるのは、左右どちら方向に回してもOKなのですが、カメラを覗いている状態で反時計回りがおすすめです。

これは、時計回りだと、気が付かないうちにレンズ固定枠が緩んでいたら、前枠で調整中にフィルター自体がレンズから外れる可能性があるからです。

高価なフィルターなので、なるべく破損リスクを減らしていきましょう。

今回はPLフィルターの基本を記事にしてみました。

クルクルと回転させて、反射の変化を楽しみながら、自分らしい1枚を撮っていきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。

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